この記事では、NIPTの無認可施設のリスクや検査精度について解説します。
出生前診断であるNIPTには、認可施設と無認可施設があるのをご存知でしょうか。
実は同じNIPTの検査でも、日本医学会が認定した施設と、そうでない無認可の施設があります。
でもどうしてNIPTには無認可の病院があるのでしょうか。
「無認可」という言葉を聞くと、何だか怪しそうと思ってしまいますよね。
実際にNIPT検査を考えている方にとって、自分が受けようとする施設が安全かどうかは気になりますよね。
そこで今回は以下の疑問を持つ方に有益な記事を提供していきます。
・どうして無認可のNIPT施設があるの?
・認可施設と無認可施設は何が違うの?
・無認可施設のNIPT検査精度は大丈夫?リスクは無いの?
【NIPT】無認可の病院を選んで大丈夫?【リスクや検査精度も解説】
無認可施設でNIPTを受けても大丈夫なのでしょうか?
・無認可でも検査精度は認可施設と変わらないと言われている
・但し、カウンセリングや陽性時の対応・サポートが異なることがある
結論としては、認可施設でも無認可施設でも検査精度は変わらないと言われています。
ただし、事前カウンセリングや陽性時の対応が異なる可能性がありますので、その点には注意が必要です。
詳しく解説していきます。
どうして無認可のNIPT施設があるのか?
そもそもどうして日本には、無認可のNIPT施設があるかご存知でしょうか。
NIPTは日本では近年普及してきた出生前診断の検査方法です。
今までは母体や胎児にリスクがある羊水検査や、診断精度が低かった超音波検査や母体血清マーカーが主流でした。
近年日本でも認知度が高まってきているNIPTは、母体や胎児にリスクが無い、99%の高い検査精度という特徴を持っています。
これらのメリットからイギリスなどでは、NIPTは出生前診断として一般的な検査となっています。
一方日本では、命の選別につながるのではという倫理的な課題から、NIPTを受けられる人と施設を制限しています。
現状、認定施設でNIPTを受けたい方は以下の5つの条件の内、どれかに該当する人に限られます。
・ 胎児超音波検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者。
・ 母体血清マーカー検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者。
・ 染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある者。
・ 高齢妊娠の者。
・ 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が 13 トリソミーま たは 21 トリソミーとなる可能性が示唆される者
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/guidelineForNIPT_20130309.pdf
高齢妊娠の者という条件ですが、以前は「35才以上」という文言がありましたが、現在は削除されております。
ただ、認定施設では「分娩予定日時点で35才以上」としているケースが多いようです。
一方、35才未満の方でもNIPTを受けたい方は増えてきております。
そういったNIPTの需要に対応しているのが、無認可の施設です。
これらの施設は日本医学会から認定を受けていないため無認可扱いとなっていますが、認定施設と同様の検査を受けることが出来ます。
2016年頃から無認可の施設がNIPT検査を実施するようになり、近年は認可施設で検査が出来ない方の受け皿として施設数も増えてきています。
無認可施設にリスクは無いのか?
無認可施設だとNIPTの精度が低いのではないか?が気になる方が多いと思います。
それに対する答えは以下の通りです。
無認可でもNIPTの検査精度は同じと言われています。
認可、無認可の検査の方法を詳しく見て見ましょう。
認可施設 :母体から採取した血液を日本・米国などの検査ラボへ送付
無認可施設:母体から採取した血液を米国などの海外検査ラボへ送付
検査に必要なのは母体の血液です。
なので、認可だとうと無認可だろうと、やることは採血だけです。
採血した血液を検査ラボに送り、検査を行うだけなので、無認可でも結果は変わりません。
実際、NIPTコンソーシアムも検査精度については、無認可であっても同等レベルであると述べております。
但し、カウンセリングや陽性時の対応・サポートが異なる
一方で、認可・無認可施設では、以下2つの違いがあります。
・事前のカウンセリングの内容
・陽性時の対応(羊水検査)
認定施設の対応・サポート
認定施設では、日本産婦人科学会の指針に基づき運営がされています。
特に、特に倫理的な問題でもあることから以下の方針が徹底されています。
(1)出生児が先天的に有する障害や平均からの偏りに関する一般的な説明。
(2)母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査の対象となる染色体異常(13 番、18 番、21 番の染色体の数的異常)に関する最新の情報(自然史を含む)についての説明。
(3)母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査の位置づけについての説明。
(4)母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査の結果の解釈についての説明。
(5)次の段階の選択肢となりうる侵襲を伴う検査についての説明。
(6)以上の事項を口頭だけでなく、文書を渡して十分に説明し、理解が得られたことを確認したあとに、検査を受けることについて文書による同意を得て、その同意文書を保管する。
(7)遺伝カウンセリングの結果、母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査を受けない選択をした妊婦に対し、その妊婦の要請ある場合は、妊娠の終了まで遺伝に関する相談に応じる。
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/guidelineForNIPT_20130309.pdf
また、万が一陽性判定が出た場合も、羊水検査などその後の対応について同じ病院で対応頂けます。
一貫したサポートが受けられるのが認可施設のメリットと言えると思います。
無認可施設の場合の対応・サポート
無認可の場合は、日本産婦人科学会の認定を受けていないので、先ほどの指針に基づかずに運営されている可能性があります。
無認可施設でも認定施設と同様に事前カウンセリングが設けられていますが、NIPTの位置づけや考え方についてきちんとしたカウンセリングが得られるかは施設によって異なる可能性もあります。
また陽性だった場合、多くの無認可施設では羊水検査が出来ないため、別の産婦人科医院を受診する必要があります。
無認可の施設で検査を受ける場合は、事前にこれらの違いを理解する必要があります。
認可施設と無認可施設はどっちが良いの?
著者個人の意見ですが、高齢出産など認可施設で検査が出来る方は認可施設を選んだ方が良いと思います。
一方で、35才未満の方は認可施設ではNIPTを受けられないので、無認可施設を選ばざるを得ません。
ただ、今までご説明したように無認可だから検査の精度が低いわけでは無いので、無認可施設の特徴をきちんと理解した上で検査を受けるようにしましょう。
著者自身も無認可施設で、事前カウンセリング等を受けましたが特に問題は感じませんでした。
また、NIPTは費用が高いです。
家計の事情でどうしても予算を抑えたい方は、無認可施設も検討に値するかと思います。
費用については以下の記事に詳しくまとめていますので、そちらも参考にしてみて下さい。
まとめ
まとめです。
・無認可施設でも検査精度は認可施設と変わらないと言われている
・但し、カウンセリングや陽性時の対応・サポートが異なる可能性がある
・35才未満の方は、無認可の特徴を理解した上で検査を受けた方が良い
無認可施設でも検査の精度は認可施設と変わらないと言われています。
無認可施設でNIPTを受診される場合は、先ほどご説明した認可施設との違いをきちんと理解しましょう。
NIPTは母体・胎児へのリスクが無く、検査精度が99%の高い検査であることから、今後も需要は増えていくと思います。
その受け皿として、無認可の施設の需要は今後も伸びていくと思われます。
この記事を読んでNIPTの施設がどこにあるかを知りたい方は、地方の方でも通いやすい平石クリニックで確認してみるのがおすすめです。
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