今日は、NIPTに関するアンケートについてご紹介していきます。
NIPTは非確定診断でありながら、検査精度が高いので、昨今検査を受けたい人が増えております。
しかし、NIPTは希望者だけが受ける任意の検査です。
そのため、周りの妊婦さんがどのくらいの割合で受けているのか、そもそも受けるべきなのか迷ってしまいますよね。
今回は、NIPTに関するアンケートのニュースがありましたので、詳しく解説していきます。
・NIPTを受けるか迷っている
・他の妊婦さんはNIPTについて、どう思っているのか知りたい
これらNIPTに関する疑問を解決していきます。
【出生前診断】NIPTをもっと身近に受けたい人が7割強!【アンケート】
この記事の結論です。
・岡山大大学院が広島と岡山の出産前の妊婦182人に調査を実施
・7割超の妊婦が、NIPTをかかりつけの病院や医院で受けたいと回答
・NIPTで陽性だった場合、確定診断を受けずに妊娠を諦める人が3.8%
NIPT検査について、出産前の妊婦さんはどのように考えているかを調査した結果です。
7割以上の妊婦がNIPTをかかりつけの病院で受けたいと回答しており、NIPTを受けたい人が増えていることが分かります。
一方、非確定診断のNIPTだけで妊娠を諦めてしまう人が3.8%も居ることも判明しました。
NIPTはあくまで非確定診断なので、確定診断のためには羊水検査が必要です。
NIPTを受ける人がきちんと正しい知識を知っていない課題も浮き彫りになりました。
具体的にアンケートの内容を解説していきます。
調査の概要
この検査は、岡山大大学院の中塚幹也教授(生殖医療)がNIPTの意識調査を実施しました。
具体的には2018年5~9月に、岡山、広島県の2病院の産科外来を受診した出産前の妊婦182人を対象に調査しております。
この調査のポイントはNIPTの施設が少ない地域でアンケートを取っているということです。
NIPTは首都圏では、無認可施設も含めるとある程度の施設があります。
一方、他の地域ではNIPTを受けられる施設に限りがあります。
今回はNIPT施設が少ない地域で行ったアンケートとなっています。
7割超の妊婦がNIPTをかかりつけの病院や医院で受けたいと回答
アンケートでは、「自分が通っている病院や医院で受けられるようにすべきか」という質問に回答しています。
その結果は以下のとおりです。
結果は、7割以上の方がNIPTをかかりつけの産婦人科で受けられるようにすべきと回答しています。
胎児の染色体異常を検査するNIPTへの需要は高いです。
しかし、現状は、日本医学会が認定した認可病院のみで検査が可能となっております。
NIPTのために遠方の病院を訪ねるのは、妊娠初期のつわりを抱えた妊婦さんには大変です。
また、無認可施設も東京などの都市部に多く、地方に居る方はNIPT受診のハードルが高いです。
受けられるなら、かかりつけの産婦人科でNIPTを受診したいというのは、当然の希望だと思います。
NIPTで陽性だった場合、確定診断を受けずに妊娠を諦める人が3.8%
NIPTで陽性だった場合、確定診断を受けずに妊娠を諦める人が、なんと3.8%もいることが分かりました。
3.8%の方は、NIPTをきちんと理解せず、誤った判断を下してしまう可能性があります。
NIPTは精度は非常に高い検査と言われておりますが、あくまで非確定診断です。
本当に陽性かどうかは、確定診断として羊水検査を行う必要があります。
NIPTは陰性時の検査精度は99%と言われております。
一方陽性時の精度はそこまで高くありません。
陽性結果が出た人でも、実は胎児は陰性であることも可能性としてはあり得ます。
こういったケースは偽陽性とよばれており、NIPTで陽性になった人は必ず確定検査を受けるようにしましょう。
調査を踏まえた著者の考え
今回の結果で以下のことが分かります。
・NIPTをもっと身近なものにしたいと考えている人は多い
・しかし現状は施設の数に限りがある
・NIPTの正しい知識を知らない人が多い
NIPTは胎児・母体に負担の無い検査でありながら、検査精度が高い優れた検査です。
検査手法として優れているNIPTへの検査ニーズが高まるのは当然です。
そういうニーズがありながら、検査施設を制限してしまったため、無認可施設が増える原因になっています。
また、現状産婦人科ではNIPTに関する説明を積極的にしないように指導されています。
その結果、妊婦さんが正しい情報を得られず、先ほど3.8%の方のように誤った認識をしてしまう可能性があります。
これを踏まえて、著者が望むことは以下の2つです。
・NIPT検査の制限を撤廃して、どの病院でも受診できるよう条件を緩和すべき
・かかりつけの産婦人科で全員がNIPTの正しい知識を教わるべき
NIPT受診の地域格差と、NIPTの誤った知識・情報は上記対策で解決できます。
倫理的な課題があるのは分かりますが、妊婦さんのニーズが強い以上、制限しても無認可施設が増えるだけです。
それなら、門戸を開放して、NIPTのメリット・課題をきちんと理解してもらうべきだと思います。
まとめ
NIPTアンケートをまとめた本記事のまとめです。
・7割超の妊婦がNIPTをかかりつけの病院や医院で受けたいと回答
・NIPTで陽性だった場合、確定診断を受けずに妊娠を諦める人が3.8%
・NIPTの検査の制限を撤廃し、妊婦さん全員が正しい知識を受けられるようにすべき
現在、厚生労働省でワーキングを立ち上げ、NIPTの検査緩和の議論を進めております。
イギリスでは公費で全員がNIPTを受けられるようになっています。
早く日本でも妊婦さん全員がNIPTを受けられるようになってほしいと思います。
一方で、今妊娠している方は、方針の転換は待てません。
35才未満の方は、無認可施設も選択肢になります。
■全国に提携医院がある無認可NIPTクリニック
■NIPT検査の流れ
コメント