この記事では、NIPT検査に国が関与する件を解説しています
NIPT検査に、国が関与する方針が明らかになりました。
妊婦の血液から胎児の染色体異常を推定する新型出生前診断(NIPT)について、国が実施施設のあり方の基本方針を策定し、施設の認証にも関わることを柱とした厚生労働省案が判明した。17日の厚労省専門委員会に案を示し、早ければ3月中にも大筋合意する見通し。出生前診断の実施体制について国が関与するのは極めて異例。
【出典】毎日新聞 新型出生前診断 国が実施施設認証に関与 厚労省方針案明らかに
今後NIPT検査はどうなるのか気になりますよね。
そこで、今回はこのニュースを深堀りしていきます。
・NIPTって今後どうなるの?
こんな疑問を持った方に、有益な情報を提供します。
NIPT検査に国が関与する件を解説|NIPTは受けづらくなる?
国が検査に関与すると、今後NIPT検査はどうなるのでしょうか?
・国が関与すると、NIPTを受けづらくなる可能性が高い
・全ての妊婦が近くの産婦人科で受けられる仕組みを作って欲しい
今回のニュースを読む限り、今後NIPTを受けづらくなる可能性が高そうです。
詳しく解説します。
今のNIPTの制度は歪んでいる
今のNIPT検査は、臨床試験扱いとなっています。
そのため、一部の妊婦さんしか受けられない仕組みとなっています。
そのためNIPTを受けたい方は、認可外のNIPT施設を受けなければなりませんでした。
このような状態になっている理由は、日本産婦人科学会がNIPTの敷居を高くしているからです。
・35才以上、染色体異常の可能性が高い人のみ受けられる
・NIPTを提供する医院は、遺伝カウンセラーなどの専門体制を整える
その結果、NIPTを受けたいのに受けられない人が多くなっています。
認可外のNIPT施設は制度の不備を補う存在
「近くにNIPT施設が無い、35才未満でNIPTを受けられない」
こういった人のNIPT検査の受け皿になっているのが、認可外のNIPT施設です。
国や産婦人科学会では、認可外NIPT施設の存在を問題視しています。
でも、認可外施設に妊婦さんが通っているのは、今の制度ではNIPTを受けられないからです。
生まれてくる子どもの状態を知りたいのは、妊婦さんにとって当たり前です。
海外では、妊婦さんは「胎児の状態を知るべき」と考えられています。(妊婦の知る権利)
妊婦さんの知る権利を阻害しているのが、今の日本のNIPT制度です。
認可外施設は、制度の不備を補う存在です。
なので認可外施設を悪者にするのではなく、制度の不備を修正するのが本来のあるべき姿だと著者は考えます。
国が関与するとどうなるのか?
今後国がNIPT制度に関与すると、どうなるのでしょうか?
著者の予想は、以下の通りです。
・国が関与すると、更にNIPTが受けづらくなると予想!
・国の関与は、NIPT普及に逆効果!
この予想の背景ですが、今後のNIPTの協議メンバーを見てみればわかります。
国▽日産婦や日本小児科学会などの関係学会▽障害者団体▽生命倫理の専門家――などで構成する協議体を新たに設置する。
【出典】毎日新聞 新型出生前診断 国が実施施設認証に関与 厚労省方針案明らかに ※太字は著者
今までNIPTの制限に動いていた「日本産婦人科学会」。(今まで通りNIPTを手の内にしたい)
障害者の権利を尊重・推進する「障害者団体」。(NIPTの存在は障害者の否定に繋がる)
この2団体がメンバーに参加する時点で、NIPTを制限する方向で動くことがわかります。
おそらく、今後は認可外のNIPT施設をより制限する方向に指針が傾くのでは無いかと思われます。
実際、毎日新聞の記事でも、そのような記載が見て取れます。
国が協議体の一員として認証などに関与し、実施施設の質を担保することで、無認定施設を利用する妊婦を減らす狙いがある。
【出典】毎日新聞 新型出生前診断 国が実施施設認証に関与 厚労省方針案明らかに ※太字は著者
でもこの流れになると、35才未満などの方はNIPTを受けられなくなってしまいます。
本当は欧米のように、全ての妊婦さんが公費でNIPTを受けられるようになって欲しいです。
ですが日本の利害関係者の存在で、全ての妊婦さんがNIPTを受けられる日は遠くなった気がします。
国に期待すること|NIPTをもっと身近なものに
せっかく国が関与するなら、NIPTをもっと身近なものにしてほしいです。
NIPTは、検査精度が非常に高い「優れた出生前診断」です。
NIPTがあれば、出産後に後悔する妊婦さんは激減するはずです。
産むにせよ、堕ろすにせよ、妊婦さんが自分の意志で判断して選ぶことができます。
その決断は重いです。
ですが自分で決めたことなら、後悔は激減します。
NIPTは、倫理的な問題をはらんでいるのは事実です。
ですが、子どもを育てるのは両親です。
両親が後悔しないためにも、NIPT検査は全ての妊婦さんに提供すべきです。
国が関与するなら、全ての妊婦さんがNIPTを受けられるようにしてほしいと思います。
まとめ:今後NIPTはどうなるのか?
本記事のまとめです。
・国が関与すると、NIPTを受けづらくなる可能性が高い
・全ての妊婦が近くの産婦人科で受けられる仕組みを作って欲しい
国の関与によって、認可外NIPT施設の締め付けが厳しくなりそうです。
今後NIPTはどうなるのでしょうか?
国には、ぜひ全ての妊婦さんがNIPTを受けられる仕組みを作って欲しいです。
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